「もう落ち着いたから、
そんなに怒らないでよ。」

病人には優しくって思わないわけ?

「落ち着いたからとかそういう問題じゃないです!
なんで普通に一般外来で来ているんですか!
本当はその時に急患で来てほしかったくらいですよ。」

「うるさいなあ。
テスト投げ出して、
病院なんか行けるわけないでしょ?」

バカじゃないの?

そう言うと、

「まあ、こうして病院来てくれたから、
いいですけど。
もうそんなに無理しないでください!
わかりましたか?」

「はいはい。わかりましたよー…はあ…」

そんなことくらいわかってるし。

あんまり体力残ってないんだから、
いちいち腹立つこと言わないでほしい。

「まったく。本当に。」

まだ怒ってるよ。

「あのねえ…私はたしかに病気持ちだけど、
普通に高校生でもあるの!
期末試験受けないと、単位取れないの!
そのくらいわかるでしょ?」

腹立つから言ってやったら、


「そりゃそうでしょうけど!」


このメガネの主治医は、




「彩音さんは普通の高校生とは違うんですから!」




私が一番聞きたくない言葉を言ってしまった。