わがまま即興曲。

クラッ…

「…っ!!!」

立ちくらみがして思わず机に手をつく。

「ハァハァ…」

呼吸がうるさい…動悸がする。

どうやら、
私の体は本気で限界みたいだ。

…ちょっと無理して試験受けるだけでこれだよ。
本当に嫌な体。

家に帰っても、ママが心配して、
うるさいんだろうな。

はあ…

心配されると余計に具合悪くなる気がする…

どうでもいい話をして、
気を紛らわしたいんだけど…


《彩音さん!》

あの主治医の顔を思い出す。

…怒りそうだな。
どうして無理したんですか。
とか言いそう。

あ、でも…前に、発作を起こした時、
私が眠るまでそばにいてくれたっけ。
優しそうな顔、してくれたな。

…会って話せば、気が紛れるかな。


…ふう。

家に帰ろうと思ったけど、仕方ない。

発作もおきかけたし。

保健室…は、学校に迷惑かけたくないから…

自力で病院に行こう。

そう思って、
私は最後の力を振り絞って、
病院へ向かい、歩き出した。