わがまま即興曲。

「してません!」

思わず焦って答えてしまった。

「ふーん…
私の胸見て欲情したんだあー?」

っな…!!!

「な、なに言ってるんですか!」

「え…図星?」

「そんなわけないでしょ!?
それは絶対ないです!」

確かに緊張はしたけど、
それ以上はないって。
あったらまずいって。

「…そっか。
やっぱり病気の子の胸なんて、
いくら女子高生とはいえ、
魅力もなにもないですよね…」

いきなり暗い顔をする彩音さん。

しまった!
思わず大否定したけれど、
よくよく考えれば、年頃の女の子に何も感じないというのも失礼だよね。

傷つけちゃったかな?

「そういうことじゃないです!
彩音さんは、十分魅力的です!」

「ほほう!
じゃあやっぱり、
私の胸見ていやらしい気持ちになったんだ?」

急にぱっと明るくなって、
ニヤニヤ笑う彩音さん。

…騙された。さっきのは演技だったのか。