わがまま即興曲。

またある日、
病院内を歩いていて、
ふと庭を見ると、木を見上げてなにかを言っている子供たちの姿。

木の上になにかあるんだろうか?と見上げると…



…嘘でしょ?



制服姿で木登りをしている彩音さん。

「何してるんですか!!」

急いで近寄ってそう言うと、

「見てわかりません? バトミントンの羽を取ろうとしてるんです!」

と言われた。

ああ…なるほどね。
この子たちのために取ってあげるのか。
…優しいんだな。

じゃなくて!

「危ないですから早く降りてください!」

普通、スカートで木登りなんてしないし。
靴は革靴だし…
危ないでしょ。

あ、でも、焦って早く降りるのも危ないね。

足を滑らせる危険もあるし、
何より、あんまり激しく動くと彩音さんの体が危ない。

「彩音さん、ゆっくり慎重に、 焦らず降りてきてください。」

と言ったけど、
もう彩音さんは答えずに、するする降りてきて着地した。