「先生、ちょっとお話があります。」

次の日の放課後、
さっそく敵地に乗り込む!

いや、先生は敵じゃないけど、
雪乃に嫉妬していた醜い自分が嫌なだけで、
先生が嫌いになったわけではない。

でも、だから、言ってやりたい。

「なんだ?」

先生が職員室から出てくる。
…ちょっと緊張するけど、深呼吸!
すーーーはーーー…
よしっ!

「単刀直入に言いますけど、 しばらく、 高橋さんに話しかけないで下さい。」

回りくどい言い方は苦手だから、率直に言いたいことを言う。

「高橋がどうかしたのか?」

不思議そうな先生。

「先生のせいで いじめられそうなんです。」

「俺のせい?どういうことだ?」

…やっぱり、わかってない。
先生は男だからわからないんだよ。

「先生は 女の嫉妬の怖さを知らないんです!」

先生は自分の小さな発言ひとつで、
舞い上がったり、落ち込んだりする生徒の気持ちを知らない。

「彩音、一回、落ち着こう。」

たきのりになだめられるけど、
私はもう、止まらない。

「恋した女の子って、 時には自分でもびっくりするくらい 醜いことを考えちゃうんですよ?」

私だって、そう。
相澤さんだってきっと同じだ。

「女の子をそんな風に 変貌させてしまう先生は、 罪作りな人だ。ということです。」