「実はさ…私の運動音痴がゆえに、
キャッチボールで組んでくれる人、
雪乃以外、誰もいなくなっちゃって…
毎回、私じゃ雪乃に悪いし…」

という、たきのり。

「だろうな。」

私みたいに激しい運動ができない人なら、
丁度いいけど、
普通にキャッチボールしたい人には中々の苦行だろ。

「ん?そっかー!
やっぱり私、彩音がひくレベルに運動神経無いのか…」

「えっ!?えっと…そんなことは…」

「いやいや、今、"だろうな"って言ったよ?」

「ええ!?」

思ってたことが口に出ていたみたいだ。

「彩音ー、私に気なんて使わなくていいよ?
いつももっと本音でしゃべってよ?
友達なんだからさ!」

「友達…」

私とたきのりが…友達。
…嬉しいな。

「…も、もしかして、
こんな、彩音のこと利用したみたいな奴、
友達じゃないなんて思ってる?」

「そんなことない!!友達だよ!!
…え?利用って何?
私って、たきのりに利用されてたの!?」