わがまま即興曲。

いくら雪乃に嫉妬したからってそこまでするか?普通。

相澤さんの行動に狂気のようなものを感じ、
ぞっとする。

…私はそこまでではない。
だって雪乃は私の数少ない友達だよ?
そんな酷いこと、できるわけない!!

そう思いたかった。


でも…

私も雪乃に嫉妬していたのだ。

醜いことを考えていた。

私も相澤さんの同類かもしれない…
雪乃は私の友達なのに…


私は本当に醜い…
自分で自分が嫌になる…


自分で考えて、イライラしてきた。


懺悔していっそ雪乃に責められたい気分だ。

だけど…雪乃はそんなことしないだろう。

相澤さんのことすらも、
クラスメイトを疑えない。と、
言っていたらしいし…

雪乃はいいやつ過ぎるから…



チッ…

思わず舌打ちをしたあと、

「貸して!」

たきのりから泡立て器とボールを奪い取り、
自分でもよくわからない怒りをぶつけるように、
全力で卵白をかき混ぜた。