「あやちゃん!遅かったじゃない!
何してたの!!」

家に帰って聞こえる第一声にうんざりする。

「球技大会だったから…それに、
今日で北川先生がいなくなるらしいから、
挨拶に行ってたの!」

「北川先生いなくなるの?
ママ聞いてないわよ?」

「言ってないもん。」

なんでいちいち、親に報告しないといけないわけ?

「じゃあ、あやちゃんの主治医はどうなるの?」

それもママには関係ないし…

「もう紹介されたよ。」

「どんな人?変な人じゃない?
なんか嫌なことされたら、すぐにママに話すのよ。ママが病院に言ってあげるから。
ああ…やっぱり次の検診についていこうかしら…」

「大丈夫だよ!優しい先生だから…」

悔しいけど、
あのメガネのことはちょっと認めた。

「そう?我慢しちゃ駄目よ?
ママはね、あやちゃんを心配して言ってるの!」

ああ、そうですか。
それは、どうも。

心配、心配って…
どうせこの人は他にやることがないから、
そう言うんだ。

「…パパは?」