「彩音ー彩音ーいやー彩音は今日もかわいいねー
おじさんが、チョコをあげちゃおう!」


………。



なんだこの目の前にいる気持ち悪い生物は…

無視するに限る。



「雪乃、それでさっきの話なんだけど本当にいいの?」

「譜めくりでしょ?1日目のミュージカルの時間は空いてるから大丈夫。手伝うよー」

「ありがとう。すごく助かる!」



ピアノの伴奏には楽譜をめくる人が必要で、練習の時は部員がやっているのだけど本番だと皆忙しいから、別に譜めくりをする人を探さなければならない。
それで雪乃にお願いしたのだ。




「ちょっと待った!!なんで、私無視されてるの!!?」




さっきまで、気持ち悪い声を出して私をおだててきたたきのりが不満の声を上げた。