わがまま即興曲。

「彩音さん…どうしてあんな無理を…?」

注射をしてもらって、
私の状態は落ち着いた。

今はとりあえず、処置室に寝かせられてるけれど、
メガネが怒っている。

「木登りくらいなら…大丈夫かなーと。」

「まったく……
心配しました。」

「…ごめんなさい。」

木登りでも発作が起きるのか、私の体は…
ちょっと凹むな…

「それに、発作が起きたとき、
なんで僕に言わなかったんですか!」

「言えるわけないでしょ?
ガキどもが心配するじゃん!」

「…………。
彩音さん、意外と優しいんですね。」

怒られると思ったけど、感心された。
でも…

「意外とって何よ!意外とって!!」

私って優しくなさそうに見えるわけ?

「あ、すみません…そういうわけじゃなくて…
ただ、発作が起きて苦しいはずなのに、
そんな時でも他人のことを考えられるって
凄いなあ…優しいなあ…と思ったんです。」

「べ…別に…心配されるのが嫌いなだけ…」

普通に褒められてちょっと照れてしまう…