気がつけば、家に帰っていて

気がつけば、朝になっていて

気がつけば、弟の家の前に来ていた。

だけど、


ピンポーン…


なんどインターホンを鳴らしても弟は出てこない。

何故だろう?
日曜の朝一なんだけど。
朝が弱い弟が出かけたとは考えづらい。
…また朝帰りだろうか。


そう考えてると、ドアの隣の外階段をゆっくり降りてくる音が聞こえた。

「あ、凛さん。」

現れた人影は、この弟の部屋の二階に住んでいて、
彩音さんの友達である滝野凛さんだった。

実は先週、この凛さんが体調を崩したと弟から連絡があって、診察に来たという事件があったから顔見知りだったりする
…のに。


「どちら様でしたっけ?」


きょとんという顔をされたしまった…

って、嘘でしょ!?


「ええ!?
僕ってそんなにわかりづらいかなあ?
ちょっと傷つくんだけど。」


夏休みに一度と先週で二回あったくらいじゃ覚えられないくらいの印象しかないのだろうか…