わがまま即興曲。

ズキンッ…!

「っ!!!!!」

その時、胸に痛みが走る…

まずい…
やっぱり木に登ったのがまずかったんだろうか…


「「「めがねめがねー!!」」」

「ちょ…返してください!!」

るる達はメガネをとって遊んでいる。


まさか、こんなところで倒れるわけにはいかない。
…るる達には心配かけたくない。
元気なあやねちゃんでいたいのだ。

私はそっとその場を離れることにしたけど…

「彩音さん?」

メガネに呼び止められる。

「私……もう…帰るから…」

…今余裕ないんだから、話しかけないでよね。

「!!!!
彩音さんっ!!!」

どうやら私の異変に気づいたらしい…
医者なら気づくか…

「あやねちゃんもバトミントンやらないの?」

気づいてない無邪気なるるに言われる。

…今のこんな状態でできるわけがない。

「えっと」

「ごめん…!私…ちょっと…用事が、あるから…
また……今度ね…!」

もう喋るのもつらいけど、
メガネが余計なこと言いそうだったから、
遮ってそう言った。

そして、そのまま庭から離れた。