「彩音、体育祭の種目何出る?」

「は?体育祭!?」


あれは去年の今頃…

たきのりと出会ってから私は変わった。
学校が楽しくなった。

よほど体調が悪い日でないと保健室に行かなくなった。

今までずっと欠席だった体育の授業にも、軽い運動の部分だけ参加するようになった。


普通の子のように…


だから、たきのりも何も考えず、聞いてきたのだろう。

体育祭のことなどまるで頭になかった私はとても動揺した。


「ま、私は玉入れか綱引きってとこかな?走らなくていいし…運動神経なくてもそんなに迷惑かからなそうだし…」

動揺した私に気づかずにたきのりは何かブツブツ言っている。

どうやら体育祭の種目、何に出るかを真剣に考えているらしい。

「あ、でも手とか擦り剥けるのやだから綱引きもちょっとやだなあ。
やっぱり玉入れかな?
………彩音?」