わがまま即興曲。

「はあ?私が?先生と?」

「はい。」

「………まあ、別にいいけどさ。」


なんで、お前と?
って思ったけど、
断る理由も取り立ててなかった。


「ふふっ。じゃあ、行きましょう!」

「ちょっと待った!」

「え?なんですか?」

「それ、やめてよね?」

「それ?」

「その話し方!なんで、いつも敬語なわけ?」

「それは……彩音さんは患者さんですし…」

「………はあ。
あのねえ…ここは病院じゃないの!
端から見たら、先生と私は大人と女子高生なの!
先生が敬語で喋ってたらおかしいでしょ?」

私が偉そうな口きいてんのもおかしいけどね。

「そうですか?」

「そもそも病院でだって、別にそんなに敬語じゃなくていいし!るるにはタメ語だったじゃん?」

「るるちゃんは、子供ですし…」

「女子高生にもまだまだタメ語でいいと思うよ?てか、そっちのが普通。
学校の先生で、私たちに敬語で話す人、なかなかいないし…」

「なるほど、勉強になります。」

「だから、私にもなるべく普通に話して!」

「わかりました。さすがに病院では無理な気がしますけど、
今日は…頑張ってみます。」