「今日の花火大会に行けるから嬉しいと言っていましたよ?」


花火大会に?
彩音さんが?


「花火大会って、
もしかしなくても、花火打ち上げますよね?」

「花火を打ち上げない花火大会が存在するのなら、見てみたいものです。」

「ですよね。」

彩音さんは、まだ病み上がりで…
喘息持ちで…

つまり、花火大会は、少し危険なのでは?

花火を打ち上げて、
煙っぽい場所は、絶対に肺に良くないはず。

人混みだろうし、
何より、友達とはしゃいでいるのだろう。

絶対に疲れるだろうし…
絶対に無理するのだろう…


心配だ。


いや、でも…
彩音さんも子供じゃないし、
自分でもわかっているだろう。

僕が行ったところで、何しに来たの?って言われるのがオチだしな…



………



今日は、夕方には上がれる予定だけれども…

でも………

一患者のために、そこまで…


「まあ、上がった後の貴方の行動など、
私の知るところではありません。では。」


進本さんはそう言って去っていった。




…進本さんて、エスパーなのかな…?