彩音さんが脱走した次の日、
家に帰ると弟がいた。

「あれ?守?どうしたの?
なんで家にいるの?」

「お、兄貴!おかえり。
久々に兄貴と飯でも食おうかな。と
あと、これ取りに。」

守の手元を見るとゲームのコントローラー。

「………」

26にもなってゲームねえ。
まあ、僕も人のこと言えないけど…

「あれ?これは…」

守があるものを見つけた。
って…!

「あ!えっと…!それは…」

「3DS?なんで?」

「ついつい買っちゃったんだ…」

僕もゲームは好きだから。

「ソフトは…と…」

「だ、駄目!」

「………兄貴。寂しかったんだな。ごめん」

「やめて!違うから!
ちょっと動物と暮らして、村長やってただけだから!
もう飽きたし、やってないし。
何なら、それ、持ってっていいよ。」

「うん。じゃあ持ってくわ。
………そろそろ、いい人紹介してあげよっか?」

「余計なお世話です。」