「そんなに検査が嫌ですか?」

「うん。先生の顔見たくないし。」

「え………。」

「嘘。そんなに悲しそうな顔すんな。
本当だったら本人に言わねーよ。」

検査室に行くときに
先生がそう聞いてきたからからかってやった。

「そうですか…?」

それでも自信なさげな先生。

「私、先生が思ってるよりは先生のこと、好きだよ?」

「…っ!!!」

「はい、いちいち赤くならない!
だから童○ってバカにされるんだよ。」

「す…すみません。
じゃあ、なんで、嫌なんですか?」

「………退院したいから。」

「は?
早く退院したいなら、真面目に検査を受けた方が…」

そうかもしれないけど…

「でも、検査結果が悪くなってるかもって思って怖い。」

やっぱり現実から逃げたい。

「彩音さん………
大丈夫です!
この前の検査結果は良かったですから!
今回も良くなってたら、退院ですよ?」

「本当に!?」

「本当に。」

「本当に本当に!?」

「本当の本当に!」

「っしゃあ!じゃあ、検査行く!」