「今…だけ……だから……
笑わなくて……い、い?
もう少し…このまま…泣いて…い…?」





ああ…
この子は、こんなにも脆いんだ。
僕は何もわかってなかった。





「もう、無理に笑わなくてもいい。
彩音さんは…もう頑張らなくても、大丈夫。」





「せん…せぇ……ごめん……
私、弱くて……ごめん……っ!」





「彩音さん…謝らなくていいんですよ?
大丈夫、不安な時は思いっきり泣けばいい。
僕の胸なら、いくらでも貸しますから…」




「せん…せぇ…」





彩音さんはその後、泣くだけ泣いて泣きつかれて寝てしまい、
僕はそんな彩音さんを起こさずに、
病室のベッドまで運んだ。