わがまま即興曲。

「ちょっとマシんなった…
もう…大丈夫。」

5分くらいすると、
彩音さんがそう言った。

「本当ですか?」

まだ、顔色が蒼白なんだけど…

「いつまでも…こうしてても、しょうがないし…
早く、ベッドで…寝たい。」

と言う、彩音さん。
まあ、それもそうかもしれない。
熱だって多分、高いだろうし…

そっと額に手を当ててみると、

…やっぱり。

思った通りの熱さだった。

彩音さんは、
僕が少し顔をしかめたのがわかったのか、

「呆れた…でしょ?
勝手に抜け出して…こんなことになって…」

と僕に言う。

「今はそれよりも、彩音さんが心配です。」

と答えると、

「怒らない…の?」

と聞かれたので、

「元気になったらお説教ですよ?もちろん。
だから、今は何も考えずに休んでください。」

と言った。