わがまま即興曲。

「はいはい。わかりましたよー。」

また断られるかと思ったけど、
以外にもあっさり了承された。

…やっぱり、本人も流石に疲れたと感じているのだろうか。

顔色もかなり悪くなってきているし、
ものすごく心配になる。


彩音さんを車に乗せるとお友達が

「彼氏のお迎えか?ヒューヒュー」

とからかい、
彩音さんが

「ざっけんじゃねー……!覚えてろー…!」

と怒る。

声に覇気が無かったのをみて、
余計に心配になった。



病院に向かい、車を走らせるけど、
彩音さんは一言もしゃべってくれない。


連れ戻しに行ったこと、怒ってるのかな…
だとしたら、今、僕が何かを言っても、答えてくれないだろうな…


そう思ってしまって、僕も声を掛けられずにいた。