わがまま即興曲。

喫茶店で元気そうな彩音さんを見て、
とりあえず安堵した。

だけど…彩音さんは、

「私が平気っつってんだから、 平気なの!」

僕の心配など、全然理解していない様子だ。

しかも、

「あのー… 全然、状況がつかめないんですけど?」

彩音さんのお友達二人は何がなんだかわからないといった様子。
もしかして…

「お友達に何も話してないんですか?」

「はあ…話すわけないでしょ? バカじゃないの?」

呆れられた。そういうものなの?

それでも、まあ、この状況は話さなきゃどうにもならないので、

「…話す気なかったんだけどね、 私、今、入院してんの。」

彩音さんは気まずそうに言う。

…なんか、悪いことしちゃったかなーと思ったけど。


「いやいや、 そんな大事なこと最初に言えって。」

「言ったら二人とも会ってくれたわけ?」

「当然、お見舞いに行くよ。」

「それじゃ、私が嫌なの!」

「なんでよ?」

「だって、私がパジャマ姿なのに、 二人は普通に洋服着てくるでしょ? なんか、フェアじゃない。」

「ああ。たしかに!」

「じゃあ、今日の服はどうしたんだよ?」

「近くのコンビニとかくらいなら、 外出許可貰って行けたりするの! だけど、服これしかないし…」

「でも、抜け出してくるとは、 やっぱり彩音は面白いことしてくれるなあ。」

「すごい行動力だよね。さすが彩音!」


…なんていうか、女子高生のマシンガントークって、怖い。