とりあえず、
急いで彩音さんの携帯に電話をかけても、
当然だけど、出ない。


…どこいった?


ていうか、どうする?
家族に連絡…は取れないんだった。

彩音さんの家族は、今、家にいない。
だから、家に帰ったわけじゃないだろう。


夕方には帰るって言ってるのを信じるか?


いや、でも、まだ熱あるし。
そもそもいつ、発作を起こすかわからない。
…危険だ。


やっぱりもう一度、電話をかけてみよう。
そう思った時…


携帯が震えだす!


急いで画面を見ると。
弟からの着信だった。


…高校教師の弟だったら、
女子高生の行きそうな場所くらい、
わかるかもしれない!


そう、期待を込めて、電話に出た。