「とりあえず、
今日はもう、体のためにも寝てください。」

布団に入って大人しくなった私に、
先生がそう声をかける。

電気を消してくれて、

「おやすみなさい。」

と言って先生は去ろうとした。



けど…



暗くなった瞬間…

私は忘れていたさっきの悪夢を思い出してしまう。

あの続きを見るかもしれないと思うと…
寝るのが怖い!


怖いよ………!!!!



「彩音さん?」

心細さに体を支配され
私は、先生の手を掴んでしまった。

「あ…………ごめん…」


ついつい引き留めてしまった。


昼間は手術もあって疲れてるだろうし、
そもそも忙しいだろうし、
迷惑はかけれないな。

と思って、手を離そうとするけど。


「…え?」


何故か手を握られた。





「寝るのが怖いんですか?
…大丈夫ですよ。
だったら、僕がここにいてあげますから。
安心してください。」





そう優しく言った先生は、
私の頭をポンポンと、やっぱり優しく撫でてくれる。



不思議とすごく安心して…



私はさっきの悪夢を見ることもなく、
深い眠りに落ちていった。