わがまま即興曲。

「え…………?」

気がつくと、目の前にある先生の顔。
いつになく真剣な表情をしている。

「大丈夫ですか?」

そう言って、私の脈を測る。

「あれ?……私…………」

「発作ではないみたいですけど…
ひどく、うなされてました。」

そうだった。
私は熱を出して…

「夢見てただけだから、大丈夫…」

喉が渇いたから、何かを飲もうとして
起き上がると、

「急に起きあがらないでください!」

怒られた。
けど、その時はもう遅い。
目が回った。

「はぁはぁ…」

ほとんど何も食べていないから、
これは貧血かな…?
我ながら情けない。

「ほら、もう。大丈夫ですか?」

「…気持ち悪い。」

視界がぐるぐるしてる…
乗り物酔いのような感じ。

「落ち着くまで、寝ていてください。」

横向きに寝た私の背中を、
先生は優しく、擦ってくれた。