わがまま即興曲。

「やっぱり、先生に言っちゃう?」

なんか、
昨日から、先生のことを考えると、
変な気分になるというか…
妙に意識しちゃうというか…

心配されたくないし…
なるべくなら黙ってたいんだけど。

「どう考えたら、私が言わないと思うのですか?
私にはあなたのその思考回路がわかりません。」

「ぐは………」

いつになく、きつい言葉。
もしかして、進本さん、
ちょっと怒ってる?

「大体、本気で隠し通せると思いましたか?」

「イエ…マッタク…」

進本さんは怒ると饒舌になるんだ…

「まあ、コンビニに行くのを許可した私の責任でもありますが。」

「いや、それは違う!
私がバカだっただけだから。
進本さんは悪くないよ?」

「…とにかく、ゆっくり休むことです。
先生は手術の予定があるみたいですので、
回診は夕方以降になるかと。」

え?そうなの?
なーんだ!進本さんにバレなきゃどうにかなったかも知れないんだ…

そう思った瞬間、

「私に嘘をつくのは諦めた方がいいですよ?
…では。何かあったら、いつでもお呼びください。」

と言われた。

「…進本さんって、エスパー?」

私の質問に答えず、進本さんは出ていった。