わがまま即興曲。

「たきのりー雪乃ー久しぶり!!」

学校に行くと、
一番に期末試験の答案が返却されて、
終業式が始まるまでの間に、
私は隣のクラスに遊びに行く。

「お、彩音!
テスト結果どうだった?
私、おかげさまで家庭科、90点!
どやあ!!!!」

と、たきのりが謎のドヤ顔をする。
だがしかし…

「ふっふっふ!
甘いな、たきのり。
私なんて96点だ!」

「ぐは………なんだと!?
負けたあ…」

「ピッキングおばさんが、
私に勝とうなんて、
10年早えんだよ!」

「その呼び方やめれ!」

「まあまあ、二人とも、
90点以上あるなんてすごいじゃん。」

黙ってたきのりと私のやりとりを聞いていた雪乃が、
口を開く。

「え?雪乃は何点だったの?」

私が聞くと…

「68点でした。」

「………」

「………」

微妙な点数すぎる。

「…反応に困ったみたいな反応やめてよ、ふたりとも。」

「ごめんごめん。
たきのりが黙るから、つい。」

「え!?私のせいなの!?」