わがまま即興曲。

ということで、
終業式の日の朝。
私は先生の車で送ってもらってるわけだけど。

「…なんか、本当にすみません。」

「気にしないでください。
実際、本気でやることなかったですし…」

「帰りは迎えに来なくてもいいですよ?
私、一人で大丈夫だし。」

「心配なので、迎えに行きます。」

「だから、な・に・が、心配なわけ?
私はお年寄りでもガキでもないの!」

「でも、彩音さんは
病院に入院している患者です。」

「そりゃそうだけどさ。」

「退院したわけじゃないんですから、
くれぐれも無理はしないでくださいよ?」

「わかってます!」

「何かあったら、すぐに病院に…
いや、僕でもいいので連絡してください。」

「…先生の連絡先、知らないし。」

「ああ。そうでしたね。
じゃあ、着いたら交換しておきましょう。」


…はあ。


学校の近くで降ろしてもらって、
連絡先を交換した。

学校の中まで送るって言われたけど、
さすがに恥ずかしいから全力で断った。

帰りも同じ場所で待ち合わせをする約束をし、
私は一人で学校へ向かう。