【短編】異世界の館

俺は持っていた家の鍵を落とした。




あぁ…





あぁ…あぁ…



















あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ









俺は血で真っ赤に染まった部屋と、そこに倒れている両親を見た時、全てを悟った。






昨日の夜、サキを怒らせてしまってすぐ、彼女は部屋からいなくなっていた。



ずいぶんご立腹のようで、どこに行ったのか不安だったがすぐに戻って来てくれて一安心したのを覚えている。



怒らせてしまった原因は会話の選択ミス…





『まー君は家族と私どっちが大事なの?』



という選択に、誤って
『家族に決まってる。』


という会話を選んでしまった。




ワガママな性格に設定されたサキにとって、それは許されない発言だったのだろう。




サキが戻って来た時、洋服が赤く染まっていた事に気付いたが画像上の何かのバグだろうと気にも止めなかった。