「こんばんわ先生。お変わりないようで。」

「あ、あぁ。君もな…?」

彼女は俺の前にケータイをかざし、笑った。

「私、あの学校大嫌いです。」

ケータイはテレビニュースを流していた。

ある男子学生が三人の男子生徒を殺したらしい。

ニュースで流れる四人の名前を俺はよく知っていた。

"殺害の理由はイジメに耐えられなかったとのことです。"

ニュースキャスターは無表情で淡々と喋る。

その時俺のケータイが鳴った。

電話の相手は同じ学校の教師。

「先生!?ニュース見ました?あなたのクラスの生徒が殺人を…」

その後は聞けなかった。

俺はケータイを落としてしまったから。

そして俺の腹にはナイフが刺さっていた。

「イジメは見つけ次第退学。ですよね?」

彼女はニコリと笑ったまま、ナイフを上下左右に動かす。

ぐちゃぐちゃになった俺の腹から血や、酒の臭いがした。

「失礼しました。以後気を付けます。」

彼女は俺に背を向けて歩き去る。

俺は地面に崩れ落ちた。

どうしてこうなったのだろう?

その日の夜。

ある男性教師のニュースが速報で流れた。