顔を真っ青にさせて病室に入って来たおばさん。




「奈緒は⁉︎」



「大丈夫です、気を失っているだけですから……」




安心したのか、ホッとしていた。




「気を失う前まで奈緒、記憶が戻ったんです……」



「本当なの⁉︎」



「はい……、でも、もう会えないって奈緒が言ったんです……」



「何が会えないの……?」



「俺にもよく分からなくて……」




なぁ、奈緒は何を伝えたかったんだ?



もしかして、もう……




「んっ………」



「奈緒⁉︎」




ゆっくりと目を開けて、辺りをキョロキョロ見ていた。




「奈緒⁉︎分かる⁉︎お母さんよ⁉︎」



「おかあ……さん……?」




あぁ、そういうことか……



きっと奈緒は分かっていたのか……



記憶が戻らないことを……




「お母さんのせいだよね……、ごめんね……奈緒……」