「なぜ逃がすようなことをしたんだ‼︎」
「部屋から追い出されて、その間に……」
「お前がちゃんとしていれば、奈緒は逃げることはなかった。どう責任取るつもりだ‼︎」
「ごめんなさい……」
奈緒の父親の態度意味分かんねぇ……
何でおばさんの心配をしないんだよ……
「待ってください‼︎」
「なんだ、君は。」
「奈緒と同じクラスの向井遥希です。おばさんだけ責めるのは辞めてください。」
「俺たちの問題に口答えするな。」
「奈緒今記憶喪失で、あなたたちがそんな状態だと、奈緒帰って来ませんよ……」
「記憶喪失だと……」
「奈緒の記憶が戻って家に帰ったとき、そのような状態だと奈緒もっと苦しみますよ……」
俺の話を唖然として聞いている奈緒の父親。
「それと、ひかりをうちで預かってもいいですか?」
「何を言い出すんだ‼︎絶対ダメだ‼︎」
「ひかり、奈緒の記憶喪失や行方不明のこと知らないんですよね。そんな中、あなたたちが今の状態だとひかり、自分のせいだと思って殻に閉じこもりますよ。」
俺の意見に何も言い返してこない2人。
ハァとため息をついて、
「奈緒は何とか見つけ出します。ひかりもその間、うちで預かります。その間に今後のことをどうするのか、話し合ってください。」


