「ねぇ、遥希。」



「なんだ。」



「酷なことを言うけれど、お父さんとちゃんと話した方がいいと思う。」




遥希の顔を見て話すと、だんだん顔が曇っていった。




「それは無理だ……」



「なんで……?」



「話したところで何も変わらねぇ。」



「それは遥希がそう思っているだけでしょ?それに遥希のお父さんだよ?絶対変わるよ。」



「何も知らねぇくせに偉そうなことを言うなっ‼︎」




ーービクッ



急に大声を出して、立ち上がった遥希。



我に返ったのか、ストンとベンチに座った。




「確かにあたしは何も知らない。変に口出ししてごめんね。でも、一つだけ言わせて。」




立ち上がって、遥希の前に立った。



お互いジッと相手の目を見ていた。




「前を向けば、景色が変わる
向き合えば、周りの人が変わる

だから、諦めないで……」




しばらくの沈黙の後じゃあね、と言って、公園から出た。