「いとこの歳が一番近い子が六年、だったかしら.......誘拐されてたの」
「六年......」
「元々は柑也と二人で捕まってた...でもその子は柑也を逃がしてここのことを話してあとで助けに来てって言ったんですって.....それに誘拐される直前に誘拐犯にいとこの子の母親が刺されたのを目の前で見たらしいわ」
人が刺された....
「それが誘拐されてすぐの頃で柑也は逃げ出した....でも誘拐のことを話してもう一度その場所に行った頃にはもう居なかった」
居なかった.........
「柑也は自分をせめて命までをなくそうとした....自分は生きる意味がないってずっとそう思ってるって言ってたわ...それでも死ねないのは王神の人間だから.......知ってるでしょ?今の時代がどんな時代か....王神の人間が死んだら日本中大騒ぎよ」
王神は日本に大きく関わっているから
「柑也は?」
「記憶をなくしたからなんともないけど一番最悪を見るなら今の記憶をなくして過去を戻すことね.....なにもわからないまま体は成長してる、でも自分の希望はない....」
「希望」
私の希望は柑也だ
私をこの世界までつれてきてくれたから
柑也がいなかったら私はまだ蜜柑くんに恋してた
「柑也の希望はあなたなの
お願いだから柑也の希望を奪い取らないで.....」

