王子様の声フェチっ!

静かだった部屋にドアを開く音だけが響く

やがて扉が開いたかと思うと

俯いたまま透真はこっちにきた

「ど、どうしたんだ?」

なんでこんな?とびっくりするなかで声をかける

「どうしよう.......お父さんが」

父は海外を転々としながら働いている

母は小さい頃に外で男をつくって逃げた

莫大な借金だけ残して


捨てられた俺たちは貧乏で今こそ普通、ぐらいまでは暮らせているが

昔は主食がもやしになるぐらい、貧乏だった

俺は家事だけはできたし状況もわかるぐらいの年ではあったから

とりあえず父を支えるために一生懸命家事をした

でも借金は減らなかった

だから父は俺が中学生になった頃に海外に出ることが多くなった