そう、思うのに
やっぱり彼は私の淡い期待を裏切ってくれた
「透真!」
あの綺麗な夜からまだ一週間しかたってない
放課後、私は懐かしい声に呼ばれた
「え、か、加桜?」
柑也に事故のことを教わって以来、
話しかけてくることなんて一切なかった
「ちょっと、来なさいよ」
どうやら私に行かないという選択肢はないらしく、ついていく
そのまま早々と校門をでて私の家の反対方向へずけずけと歩く
「加桜、どこいくの」
私にだって私の用事が........ないけど
用件だってわかってるけど
「あら、それはあなたが一番わかっていることでしょう?」
加桜は本当は私よりも二枚も三枚も上をいく
「入って」

