ゾンビル

レジカウンターの前を通る。

お代なんていくらでもくれてやりたいが、もはや現金など何の価値も持たないため、そのまま頂くことにした。

出口の方向へ再び走り出したのだが、ロビーまできて絶望に突き落とされた。

メインホールの人だかりが全てゾンビだった。

「まずいな……」

これでは脱出できない。

彼らに気づかれないように柱に身を隠す。

ついてきていた少女も様子を見て理解したようで、驚いていたが、すぐに俺を手招きした。