ゾンビル

調理器具売り場まで来たのだが、包丁が見当たらない。

鍋のふたで戦うなんて笑えない。

僕が店内の複雑な構造に苛立っていると、彼女が包丁を持って「こっち」と僕を呼んだ。

どれが良いかなんて想像もつかない。

とりあえず鞄に入る程度の包丁を調達して、ひとつはパッケージを開けて手に持った。

銃も鞄にしまった。

本当に包丁なんかで大丈夫だろうか。

考えていても仕方がない。

すぐにここを出なければ……。