ゾンビル

出入り口に向かって走り出した直後、扉の向こうで少女とぶつかった。

僕は悲鳴を飲み込んで銃を構えた。

しりもちをついた少女は短く悲鳴をあげたが、僕が銃を構えていることに気づくと、両手を挙げた。

「違う、私はゾンビじゃない」

「驚かせないでください」

と、僕はと言いながら、銃を下ろして、本来向かっていた方向へ走り出した。

何を思ったか、少女は立ち上がると僕の後をつけてきた。

構わず進んで、売り場案内を見ながら武器になりそうなものを探す。