疲れた。

一筋の汗が額を伝うのがわかる。

眼鏡がずれないように、注意深く、袖で汗を拭った。

なんとか息を整えて、物音を立てないよう努める。

ここはショッピングモールの男子トイレ。

僕は小さな銃を手に、壁に背を預けて、一体全体どうしたものかと思案した。

ていうか日本に銃なんてあったんだなあ。

とか考えが脱線してしまう僕は、いかにも頭の中が平和そのものの一般市民だ。

そして日本に暮らす一般市民が銃火器類を手にするなんて、やはりどう考えても起こり得ないこと。