ガチャ

屋上の扉を開くと目の前に賢太が立っていた。

「おー、来た 来た。それより優助お前どうやってつってきたんだよ?」

「教えねーよ。」

「何だよソレ!   おい夏南!!お前どう…」

「あげないよ?!  あげないからね?!」

「要らねぇよ!  何をだよ?!」

「要らないなら大丈夫だぁ。私お腹空いたからお弁当食べるよ?  いただきまぁす。」

「まさかこんな事になるとはなぁ…」



初めて会ったのは、部活…だった様な。

確かクラスは隣同士。

中学違ったからあんまり喋った事無かったんだ。

初めて話したのはあの試合の時…


「っ優助!!」

「っつ…」

「大丈夫か?!」

「マネージャー!!  止血!」

私が優助と喋ったきっかけは、優助の試合中のケガだった。

「大丈夫?! 渋谷君!」

「あぁ、ありがとう。」

「ちょっと見せてみろ。」

コーチが優助の傷をみる。

「これは…深いな…」

「大丈夫かよ優助?」

「大丈夫です!!  まだやれます!!」

「…どうしましょう、コーチ。」

「優助、 お前は休んでろ。」

「?!  何でですか?!」

「また傷が開いたら大変だ。」

「大丈夫です!!」

「…優助、じゃぁお前このボールをとってみろ。」

コーチが優助に向かってボールを投げる。

「…っ…」

コーチの投げたボールが優助の後ろの壁に当たりコロコロと転がった。

「どうだ? さっきのケガでお前は、自分に向かってくるボールが恐くてたまらないハズだ。…違うか?」

「…」

「優助、お前は休んでろ。」

「…はい。」

ピー

試合の再開のホイッスルが鳴る。