玄関には革鞄が一つ置いてあった。

「結構おっきい・・・」

よく考えてみればあたし、お父さんに渓登さんの子供が男か女か聞いてない!!

「おと・・」

「岬………!!」

「・・・は?」

岬? 誰それ。

「あら、充っちゃん ようこそ~。」

キッチンから綺麗な女の人が出てくる。

「ん? 充っちゃんの娘さん?」

「あ、はい。夏南です。」

「ど~も、渓登の妻の岬で~す。」

「あの・・・」

子供がどっちかきかなきゃ。

「まぁ、とりあえず来て来て。」

岬さんはあたしの腕を取ると、あたしを引っ張っていく。

連れて行かれた場所はリビングだった。

「ごめんね、あの子今 お風呂に入ってるのよ。」

「はぁ・・・」