「ここの四件目だよ。」

今あたしとお父さんは、優助が歩いていった道を歩いている。

優助の家もここらへんなのかな・・・?

「ここだよ。」

お父さんが足を止めた家は、辺りに比べて一段と綺麗で大きかった。

「ほぇ~、でっか! キレー!!」

広々とした庭に、立派で淡いオレンジ色の二階建てに家、車庫にはピカピカの車が二台。

「行くよ、夏南ちゃん。」

「はぁい。」

入り門を通って庭を歩く。

そしたら、ガチャッと扉の開く音がして一人の男の人が出てきた。

「充弥!!」

お父さんの名前を呼んでる事からして、たぶんこの人が友達の渓登さんだろう。

「渓登!!」

いえー あたりー

「よぉ、よく来てくれたな。 ! この子が充弥の子供か!」

渓登さんがこちらを見て言った。

「あぁ、夏南だ。」

「こんばんは、夏南です。」

「こんばんは、渓登です。 さぁ、入って入って。」

グイグイ引っ張る渓登さん。

「おっじゃっましまぁす!!」

ズンズン家の中を進んでいくお父さん。

「おじゃましまーす・・・」

玄関に入ると仄かに花の匂いがした。

どこかでかいだ事ある匂い・・・ってゆうか渓登さんもどこかで会った気がしなくもない。