「人、多いね……」
「しょうがねぇだろ、今の時間帯。っと……わりぃ」
あたしをドアの近くにおいやり、庇うように手を壁についてる。
人が多いせいか、朔はいろんな人に押されてるみたいだ。
「ごめん朔、ありがと」
「いいよ別に、心愛守るのは幼馴染の俺の役目だからな」
今のセリフ、“幼馴染”って言葉が無ければ完璧だったのに……。
なんて、思っても嬉しいことは嬉しいのだ。
チラリと上を見上げると、朔と目が合った。
朔の綺麗な瞳を見て、恥ずかしくなる。
なんか……射抜かれそう。
いや、ホントに。
ニコリと微笑まれて、あたしは下を向いた。

