俺は飛び起きて隣の部屋を見た。


母さんが、なにやら作業をしている。



「なに?」


俺に気づいて、母さんは手を止める。


「今歌ってたの…」


「聴いてたの?」


母さんが気まずそうに言った。


「葉月は知らないでしょう?」


俺は首を横にふる。


「え?聴いたことあるの?

あの島の歌なのに?」


「島の歌?」