「葉月!」



中学の門をくぐろうとしたとき、

明るい声が俺を呼び止めた。


「陽一?」


スポーツバックをさげた男子生徒が

こっちに向かって走って来る。


「どうした?今日は早いな。」


「寝坊した夢をみて、いつもより早く起きた!」



陽一が、元気に笑う。


日焼けした肌に、白い歯がまぶしい。



幼なじみのこの笑顔が、俺は好きだった。