「おはよう、葉月。」


「…」


「葉月、おはようは?」



…ったく…



「…おはよ」



本当にめんどくさい奴だな。


俺が話しかけて欲しくないのが分からないのか?



洗面所へと向かう寝癖だらけの親父の後ろ姿を、

俺はイラつきながら見た。


仕事をしている母さんのかわりに

本当は親父が家事をするはずなのだが、

いつだってとうの本人はぐうたらしている。