すっきりしないまま学校に行くと、

どこか落ち着きのない陽一の姿があった。



「何そわそわしているんだよ?」


「へ?」



きょとんとしたその顔を見て、

俺は思わず頬を緩めた。



「落ち着いてられるかよ。

今日はテストの席次が分かるんだろ?」


ああ、そういえば…


「俺は結果によって小遣いが左右されんの。」


「へぇ…」



俺と陽一の会話を聞いたのか、

他のクラスメイト達も騒ぎだす。


30番以内だったら親がスマホを買ってくれるとか

一万円もらえるだとか…


条件は違うものの、何かしらのご褒美が

それぞれあるらしい。