「ん…」


ケータイのアラーム音で、俺は目を覚ました。


いつもどうりの時間。


いつもどうりの自分の部屋で。


俺はベッドから起き上がると、顔を洗って

一人台所へと向かう。


家族の朝食をつくる母親の姿は、そこにはない。


仕事の早い母さんは、いつもこうだ。



親父は、まだ寝ている。



俺は適当に自分の分の朝食をつくると、

静かな食卓についた。



「…葉月?」


俺の気配にきがついたのか、親父が起きてくる。