車の中はシートが倒され、1つの部屋のようになっていた。
怖かった。
とにかく、とにかく怖かった。

「オイ!」1人の男が私を呼んだ。
「ハイ。」声にならない声で返事をした。

背後にいた男が両腕を結束バンドで結んだ。
ああ。
逃げられない。そう思った。
自然とこぼれる涙。
拭いたくても拭えない。
楽しかったあおいちゃんとの日々が思い出されてくる。
会いたいよ、助けてよ、あおいちゃん…

そんな事を考えていた時
さっきの男が話しかけて来た。
「脱げ。」
「え?」私は即答した。

「脱げ。」
(いや、無理でしょ?どうやって?私の腕見えないの?順序考えろよ)

「あの…無理です。」困った声で答えた。
「じゃあ、脱がせてください。って言え」この野郎。むかつく。蹴飛ばしたかった。
でもお腹が痛くてからだが動かない。

「どうして脱ぐんですか?」当たり前の質問をした。

「言え!」男はキレていた。きっと私は火に油を注いだのだろう。
「は、ひゃい」言葉なんて怖くて話せなかった。
「ぬ、脱がせて…ください。」絶対に思ってない。思えない。意味不明。でも、言うしかない。

「しかたねーな。じゃあ上から脱がせてやるか。」本当にムカついた。

パーカーのファスナーが下ろされ、ティーシャツをハサミで切られ、ブラ一枚になった。

「身長小さいくせに胸でかいね。なにカップ?」
うざい。キモい。身長小さくて悪かったな~。なぜかどーでも良いところで頭に来た。

「え、えーと…Cです。」なんで見ず知らずの奴にバストサイズ言ってんだ?私。何もかもが嫌だった。

「じゃ、やるか!」1人の男が発した。
「了解」「やっベー興奮して来たー!」私は、もう終わるんだ。


~あおいちゃん。助けて。お願い~

そんな願いも儚くちった。