誠は私を待たずに
歩いていく

背中が遠くなって迷子になりそうだ


「ねぇ、君ひとり?
ご飯おごるよ、俺らとどっか行こうよ」

「いいえ、結構です」


私はこれから誠とご飯なの
と、言いたい
けれども、誠はいなくて
どこに行っちゃったの
泣きそうな私を見て


「うわ、やっべ
この子めっちゃ可愛いよ
ねぇ、遊ぼうよ」


「おい、お前ら
俺の女だ。ちれ」


と言って私の手を引く誠
なんて、かっこいいんだろう。